2019年5月22日水曜日

香港ロケも!エマニエル夫人3部作のあらすじ・感想・ネタバレ

こんにちは、ヒナタです。

今日はフランス映画「エマニエル夫人」の3部作を見た感想を書こうと思います。

私は「エマニエル夫人」というタイトルくらいしか知らなかったのですが
テレビでやっていたのでなんとなく見ていたら、面白くて3部全て見てしまいました。

全てR15指定となっていましたが、個人的にはR30指定くらいじゃないでしょうか。
描写が激しすぎて青少年だとストーリーが入って来ない気がします。
女性向けエロスというテーマらしいので、映像はきれいですし、女性の権利を謳った内容でもあるので、女性が見て嫌な気持ちになるシーンはほとんどありませんでした。
エマニエル夫人とは
「エマニエル夫人」は1974年のフランス映画で、世界的に大ヒットし、
日本でも社会現象となるほど話題となりました。

「続・エマニエル夫人」(1975)、「さよならエマニエル夫人」(1977)と続き
この3部でとりあえずの完結となります。

しかしながら、その後80年代~90年代にも続シリーズがいくつか制作され、
テレビドラマにもなったようです。

また世界各国でも「エマニエル夫人」から派生した独自の「エマニエル夫人」が
制作され、相当な影響力があったことが分かります。すごいですね。
「エマニエル夫人」

<あらすじ>
バンコク駐在の夫と暮らすため、バンコクにやって来たエマニエルは最初は夫婦むつまじく幸せに暮らしていました。フランス人の奥さん連中と知り合う中で、駐在員妻の退屈しのぎはフリーセックスだと教えられます。最初は戸惑っていたエマニエルですが、奥さん友達とレズの関係を持ったりするうちに、自分の知らない自分を開花させてゆきます。そして夫もまた彼らと同じ考えで、自身も他人と関係を持つし、エマニエルが他人と関係を持つことを喜びに感じていました。ついには、夫の取り計らいで知人からの性の儀式を受け入れ、エマニエルは新しい自分に変わっていきます。

<感想>
舞台のバンコクは何度も行ったので思い入れもあり、
バンコクのあの暑さ、熱気、のどかさ、樹々の美しさが蘇りました。
タイの風通しの良い家屋や、伝統舞踊なども長い尺で、エキゾチックな雰囲気です。

エマニエルがだんだん奥さん連中とレズの関係を持つのは遊びとして、
一人の女性に本気になりかけたシーンは複雑な気持ちでした。
その失恋を夫が慰めると言う、なんだか奇想天外な夫婦関係・・・

夫が自分や妻が他の人と関係を持つことを容認しているのはおかしいのですが、
二人の関係は破綻しておらずきちんと夫婦なので、見失わずにいられました。

そして夫が失恋の傷を癒してやると言いながら、マリオという変な男に
エマニエルを託して、エマニエルが儀式という名の変なことに。

この第一部で唯一不快だったのがこの儀式のシーンでした。
麻薬中毒者が数人で、嫌がるエマニエルを無理やり襲います。

この映画を安心して見られるのは全てエマニエルが望んでの行為だからであって、
嫌がっている女性を無理やり襲うとなると、嫌悪感でいっぱいです。
個人的に、どんな映画やドラマでフィクションであっても強姦が許せないので!

ただエマニエルはこの襲われたシーン以外、あくまで本人も合意の上で、
この儀式で価値観が変わってしまったようです。

別のエマニエルになったことを表すように
エマニエルがどぎついメイクにギラギラの衣装を着たところで物語は終わります。

「続・エマニエル夫人」

<あらすじ>
舞台が香港に移ります。エマニエルは夫が赴任した香港へ向かうのですが、客船の中から女性と関係を持ったり、冒頭からエマニエルは自由奔放です。夫の家に居候する男性や知人の美少女、ダンス教室の先生など、さまざまな人と関係を持ちます。

<感想>
第一作目では、エマニエルが変貌するという過程がストーリーでしたが、
今回はただエマニエルが好き放題するだけ、特に内容ありませんでした。

前作のタイから持って来たようなタイ風のオブジェがインテリアとして飾られています。
こういう細かい演出が好きです。

せっかく香港が舞台となっているのに、香港のシーンはそれほどありません。
1975年の香港、街中にまだ馬車が走っていたのか?
ちょっと謎ですが、当時のフランス人にとってはタイも香港も発展途上国で
フランス人の目にはアジア人は同等に映らなかったんじゃないかなと感じました。
あんな黒髪おかっぱのアジアンビューティーは、今も昔も香港にはいなさそう・・
香港人が従順なメイドさんとしてお仕えしているのも違和感でしたが、
英国統治時代は、白人が香港人を家に雇うというパターンはあったのでしょうか。

それに、乱交が横行する集まりや、過剰なサービスのマッサージ店、
実際の香港には無さそうですが・・後者は男性向けならあるのでしょうか?
何にせよ、この映画を真に受けて香港に来たらとんでもない勘違いでしょう。

エマニエル夫妻は相変らず仲良く、価値観も一致していて、
夫婦プラスアルファの行為を楽しむようになっていました。
いくら浮気は容認とはいえ、自分が見ていないところでパートナーが誰かと楽しむより、
いっそ夫婦を含めて複数人での方が、何か振り切れている気がしました。
さよならエマニエル夫人

<あらすじ>
舞台をインド洋の島にうつし、夫は建築家と言う設定に変わっています。
相変らず自由奔放な生活をしていたエマニエルですが、
島を訪れていた映画監督に恋煩いをするように。

映画監督はエマニエル夫妻の価値観が理解できないという
ある意味まともな考えの男性でした。

今まで誰と関係を持っても動じなかったエマニエル夫も、
エマニエルの変わりように今回だけは二人の関係を阻止しようと悪あがきをします。

しかし結局、エマニエルは彼を追いかけてパリへ帰って行きます。
夫は、そのうち飽きるだろうと言って物語は終わります。

<感想>

タイトルから、エマニエル夫人がどこかへ行ってしまう予感はしていましたが
なんと本作でエマニエル夫人は自分の価値観に違和感を覚えます。

考えてみれば最初から非常識だったのはエマニエル夫だったのですが、
他の奥さん連中など、誰もが自由奔放な環境だったので、
映画の中では自由奔放であることが常識のように思えていました。

普通の恋愛映画と変わらないように、映画監督の出現で夫が動揺します。
エマニエル夫はこれくらいのことで動じないと思っていましたが、
エマニエルが恋する乙女のようになってしまったのだから、
今回は遊びでは終わらないかもと感じたんでしょうね。

今まで冷静だった夫が、ささいなことで腹を立てて手をあげようとしたり、
なんとか妻と映画監督と会わせないように邪魔をするのが憎めなかったです。
誰と関係を持とうが、夫婦関係はうまくいっていたのですから、
本当に夫婦関係が破綻するかもしれないとなると焦りますよね。

エマニエルも浮気をして悪い女だといえば、そうでもありません。
なんでも正直に夫に打ち明けてきて、隠し事がしたことが無いと言うので、
映画監督と関係を持ったことも夫に報告していましたし、
彼と一緒に旅立つことも、きちんと夫に話してからと言います。
かけおちする前に、旦那に挨拶をするなんて律儀すぎます。
エマニエルはある意味、素直で、正直な女なのだろうと思いました。

第1部で変えられた価値観や常識を、第2部でさらに日常にし、
第3部で再び原点回帰させられたような気になりました。

あの異国でのフランス人コミュニティの中では常識であったことも、
あの夫、あの友人、あの環境でなければやっぱり非常識なことでした。

学校や会社などの狭い組織の中での常識が、ところ変われば非常識であるように
エマニエル夫妻や世界観はやはり、映画の中でだけあり得ることでした。

それに第3部で言われていたように、若いうちは複数の異性との関係を楽しめても
年を取るとそうもいかない、最後に傍にいられるのはパートナーだけ。
何も新しいことを言っていませんが、そういうことですよね。

エマニエル夫人が、結局は一人の男性のために今の生活を捨てたという終わりです。

ちなみにこの浮気をしている間のデート代やパリ行きのチケットは
夫の稼ぎなのに後ろめたくないのだろうか、と庶民の私は思いました。

それにパリで映画監督と一緒になっても、今の夫のような良い生活ができるのか。
エマニエル夫人は経済面では夫に随分と支えられてきたのに、
映画監督と一緒になって生活の質を落とす現実に耐えられるのだろうか。
まあ、映画監督が大物なのか新人なのかは語られていませんが。

夫の言う通り、いつも一人の男性と寝るとか、庶民的な生活とか、
エマニエル夫人はいつか嫌になって、夫の元へ戻って来るのかもしれませんね。
何事も、日常になってしまえば退屈で、非日常に憧れるものですからね。

<おまけ>エマニエル・イン・香港
3部作とは別に、香港版のエマニエルがあったので早送りでざっと見てみました。

ストーリーとしてはエマニエル夫人とは全然関係なく、名ばかりの別物語でした。
精神科医をしている夫が、宗教と潔癖症の関係で夜の関係を拒絶する妻に対して、第三者に依頼して調教を仕込むというもの。闇の儀式で調教された妻は性に目覚め、夫とも再び関係を持つようになるのですが、結局は妻は闇の儀式にはまり過ぎ、そっちの方向へ走り、夫は妻に嫌われたまま、妻に会うため闇の儀式に足を運ぶようになる・・という内容です。

フランス映画での映像美を見た後で見る、アジア人同士の絡み合いはどうも生々しくて早るに堪えない映像でした。それにエマニエル夫人は女性向けなので女性が虐げられるようなシーンは第1部の中のごくわずかで、そのシーンすら「押さえつけられている」という描写で「男性に奉仕する」という描写はありませんでした。しかしこちらの映画は男性目線と思われるので、女性が見たら不快になるシーンも多々あり、早送りで見ました。

主な出演者の女性3人のうち2人は日本人です。
どうりで香港人の中に日本人女性イコールアダルトというイメージが根付くわけです。

夫の苦悩も分かりますが、夫の都合で妻が変えられ、
結果として妻があらぬ方向に走り、夫が馬鹿を見るという終わり方は嫌いではないです。

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