2019年春ドラマ「私、定時で帰ります。」を見ています。
日本のリアルな職場が描かれていて、とても興味深いです。
日本以外の国でも、これほど定時で帰れない職場文化はあるのでしょうか?
香港で働いて、海外の国々と仕事上でやり取りをした経験から言うと、
おそらく、定時で帰れないのは日本独特のようです。
今日はドラマを参考にしつつ、香港の職場について書いて行こうと思います。
香港では定時で帰るのは基本
香港人は、基本的に残業はしません。残業代が出るか出ないかにもよりますが、残業代が出ないならなおさら定時で帰ります。
日本人のようにお金も出ないのにサービス残業なんて損だからです。
ただ必ず定時に帰るかというと、切りの良いところまでやってから帰る場合もあるので
だいたい定時30分以内には退社する人が多いです。
どうしても対応しなければならない急ぎの案件があったりすると残業することもありますが、本当によほどのことに限ります。明日の朝一番じゃ間に合わない場合のみです。
香港では有給を消化するのは当然
香港の職場にいると、ほぼ毎日のように誰かが有給をとって休んでいます。なんでもない平日に1日、いきなり休みます。
病院だったり、何か特別な用事がある時でなくとも、休んだりします。
上司に申請するのも簡単で、事前に申請書を出すのですが
結構ギリギリに書いて出す人もいます。
香港人はチームプレイではなく個人プレイで仕事をするので
周りに助けを求めることは少なく、自分の取引先に明日は不在だからと連絡し
今日のうちに仕事を片付けるか、休み明けに対応するように調整しています。
日本人の場合、せっかく有給を取って休んでいても、
周りは仕事をしているからと取引先や上司が個人的に連絡をして来たりしますよね。
香港の場合、休んでいる人に連絡をしてくることは滅多にありません。
香港では病欠で休むのは当然
一年間に取得できる有給とは別に、病欠の上限があります。例えば有給が年14日、病欠が7日だとします。
すると、香港人は病欠もなるべく消化しようとします。
つまり、私が風邪で1日休んだとしても、有給とは別に病欠というのを申請でき、
いわば有給と同じように欠勤しても月給は満額もらえるのです。
病欠は急な病気のために使うもので、むやみに取得するものではないのですが
一般的に有給と勘違いしているというか、過大解釈な気がしなくもないですが
とにかく香港人は年に定められた病欠を消化しています。
昨日まで元気だった同僚が、今朝突然具合が悪いとメールが来て欠勤、
翌朝、何事もなかったかのように元気な姿を見せて病院の診断書を持ってくる。
もちろん病院の診断書がないと申請できないので、
仕事に行きたくない時に、とりあえず病院に行ってお腹がいたいとか適当に言って、
そのまま休むというのが本当のところのようです。
病院の方も、その辺は合わせてくれるというか、診察代が儲かれば良いので、
このくらい大したことないから仕事に行きなさいとも言いませんし、
なんなら「病欠2日必要と書いておこうか」と言ってくれたりするようです。
また、上司や総務も病欠について問い詰めたりしません。
病欠の申請書と診断書があれば何ら不備はありませんし、
本人が今日から元気に仕事に戻ってくれればそれで良いのです。
香港の職場環境
ここまで書いていると、香港人が極端なまでに現実的な印象かもしれませんが、香港に長くいてこの環境に慣れると、労働環境としては非常に合理的だなと思います。
定時に出社(香港人は多少、遅刻しますが許されます。朝ごはんもデスクで食べます。)
定時に昼休み(たまにであれば、混んでいたりして戻るのが多少遅れても許されます。)
定時に退社(定時よりちょっと前には帰り支度を済ませ、あとは社員カードをかざすだけ)
そして決められた日数の有給、病欠を消化する。
これは労働契約書に書かれた内容を遵守しているだけで、社員には当然の権利です。
香港人に学ぶ効率の良さ
何度となく香港人は効率が良いのか、そうではないのか、についてこのブログで個人的な見解を述べてきました。
彼らが自負するほど個人レベルでの効率がずば抜けて良いとは思いませんが、
それでも日本の「なあなあな職場」に比べたら、効率が良いのも否めません。
電話が早い・・余計なことをしゃべらない、要点だけ話す。
メールが早い・・返信が早い、簡潔。(お世話になっております・・なども不要)
担当が明確・・これ私の担当じゃないから!と余計な仕事を引き受けない。
上司への態度がでかい・・上司にヘコヘコしない、出来ないことをはっきり言う。
会議が早い・・会議や打ち合わせは目的が明確で簡潔に終わる
などなど、そういうことをリストアップしていくと
日本人はすぐにダラダラとやり取りしたがるのが、すごく無駄に思えてきました。
日本で市役所などにいくと、すごく無駄な説明が長くてびっくりします。
例えば婚姻届けなどでも、私は香港で先に婚姻届けを出したと言っているのに
「日本で出した場合はこう、海外で出した場合はこう」と説明されます。
「日本で先に出した場合」のパターンは私には当てはまらないのに
延々とこの説明からしてくれます。つくづく日本は懇切丁寧だなと思うわけです。
定時に帰るメリット
「私、定時で帰ります。」では残業をしている同僚たちが無理をし過ぎて体調を崩したり、残業ばかり長くて実は仕事をしていなかったりしますが
とても共感できると思いました。
実際に、私も主人公のように香港では定時で帰っていたので、
仕事の後で友達と食事や飲みに行ったり、
習い事をしたり、カフェや家でTOEICの勉強をしたりと、
平日の夜がとても充実していたと思います。
それに、有給を取って日本に帰省したり、海外旅行をしたり、
リフレッシュは結果として仕事へのやる気につながったと思います。
日本はまだまだ働き方改革の途中、一人一人の意識改革は先が長そうですが
このドラマが将来「まだ働き方改革の過渡期だったんだな」と
評価される日が来ると良いと思います。
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