2019年9月11日水曜日

香港に見習いたい、育児に不可欠なアマさん文化


こんにちは、ヒナタです。

日本在住の友達と香港での子育て事情について話していて、
「香港のアマさん制度は素晴らしい!」と言われました。

アマさんはフィリピンやインドネシアやタイから香港へ出稼ぎにやって来た
住み込みのメイドさんのことです。

私も香港で子育てをしながら、アマさんのメリットを感じていたので
今日は香港のアマさんについて書こうと思います。

香港家庭を陰で支えるアマさんの存在
共働きが当たり前の香港では、女性は産休が終わるとすぐに仕事復帰します。
産休は会社により若干違うようですが多くは10週間なので
予定日の2週間前からお休みし、出産後8週間、産後2ヶ月ほどで職場に戻ります。

生後2か月の赤ちゃんの面倒を見るため新しく雇われるのがアマさんです。
フィリピン人を雇うケースが多く、年齢や既婚・未婚、子育て経験もまちまち。
アマさんを紹介してもらうエージェントを経由して雇用契約を結びます。

アマさんは、子育て以外にも高齢の家族の面倒を見てもらうケースもあります。
今回は主に子育てのケースを紹介します。
うちでアマさんを雇わない理由
うちの夫は、香港人にしては珍しくアマさんを雇うことに抵抗がある人で
赤の他人のフィリピン人が家にいて生活を共にするのに反対でした。

私ももちろん日本人なのでアマさんを雇おうなんて一言も言っていません、
当然のように出産前に私が仕事を辞めて、産後も私が子どもの面倒を見ていました。

産後2ヶ月までは実家にいたので赤ちゃんの面倒だけ見ていましたが、
香港に戻ってからは赤ちゃんの面倒を見ながら家事をすると言うハードな生活でした。

初めての出産というのもあって産後は精神的に不安定だし、
産後1か月が辛いだけだと思っていたらその後1年半ほど夜中の授乳は続き
とにかく睡眠不足でした。
掃除、洗濯、料理も赤ちゃんがいると思うようにできず何もかもがストレスでした。

買い物も赤ちゃんが泣き出したら中断、ベビーカーでは重い荷物も運べません。
かといって香港人の姑に買い物をお願いすると上がり込んで赤ちゃん見たさに長居、
ネットで何回か買い物をしてみたら、そのサイトが原因かは不明ですが
クレジットカードを不正利用されたのでネットショッピングも止めました。

と、思ったより大変ではありましたが、アマさんを雇うことはありません。
日々めまぐるしく成長するわが子を他人に預けるなんて勿体ない、
こんな無防備で天使のような赤ちゃん時代を一緒に過ごせれば幸せでした。

また、産後は本能なのか、赤ちゃんを他人に触らせるのが嫌で嫌で
身内ですら赤ちゃんを抱かせたくありませんでした。
常に視界に赤ちゃんがいないと不安になるし、夫に任せて出かけるのも無理でした。
わが子をアマさんに預けられるママさんてすごいなーと思いました。

そういうわけでうちはアマさんには頼る考えはありませんでしたが、
積極的に預けたいという家庭なら、とても助かる存在なのです。
香港人はアマさんを大いに頼る
家事が得意ではない香港人女性は、女性が家事をするという概念はありません。

現役世代は男も女も仕事をするのが当たり前、
子どもが生まれたら祖父母かアマさんに育ててもらいます。

生活のために共働きで働かないとやっていけない理由もあるでしょうが、
自分の人生や生活を子どものために丸ごと犠牲にしたくないとも思っています。

日本でも保育園に0歳代から入れるケースが増えてきました。

子どもは、どんなに祖父母やアマさんに懐いても、
やっぱり自分の親のことは親として接しています。

香港人は、私が自分で子育てをしていると言うとすごくびっくりします。

アマさんの良いなと思うところ
実際に自分で子育てしてみて、昼間に外を歩いていると
0歳~未就園児を連れているのは祖父母らしき年代の方か、フィリピン人がほとんど。
私のように母親が子育てしているのは外国人ママが多いです。

当初は、祖父母はともかく、アマさんなんてちゃんと面倒を見てくれるのかなーと
斜めに見ていたのですが、実際とても良い印象です。

フィリピン人は大家族で、ホスピタリティに長けていると言いますが、
本当に面倒見が良いと思います。

フィリピン人は仲間で集まるのが好きで、
日中よく見かけるのがフィリピン人のアマさん同士が
それぞれ面倒を見ている子どもを連れてワイワイご飯を食べたりしています。
フィリピン人同士楽しそうだし、子ども同士も遊んで楽しそうにしています。

アマさんはだいたい、子どもだちに英語で話しかけるので
子どもたちも英語を覚えてコミュニケ―ションを取っています。
不思議なことに、アマさん同士のフィリピン語(タガログ語)は
子どもたちの耳をスルーしているようです。

フィリピン人たちはお仕事中なのにこんな遊び半分でいいのかな?と
一瞬思いますが、これがアマさんたちにとっても良い気晴らしになるはずです。
何も任された子どものために子どもと二人きりで過ごす必要はありません。
大人がストレスを感じると、きっと子どもにも当たってしまいます。
私もイライラして子どもに普段は叱らないことを急に叱ったりしてしまう時、
一対一だと育児のストレスを発散できず子どもに当たってしまうなと感じます。

虐待の心配は?
日本でも高齢者施設や障碍者施設などで職員が利用者さんに暴力を振るったり等、
時々ニュースで聞いたことがありますよね。

残念ながら香港でも、アマさんによる子供への虐待はゼロではありません。
が、ゼロではないのは母親が育てても同じこと。そういうレベルです。
日本で母親が一人で子育てしていて子どもを虐待するケースの方が深刻に感じます。

他には、アマさんが家の金品を盗んだとか、旦那さんと愛人関係になったとか、
最近ニュースで初めて見たケースではアマさんが小学生の男子に手を出した、
なんていうのもあります。

旦那さんとコソコソ浮気したというのはちょっと困りますが
子どもの虐待防止に家の中にカメラを設置するという家庭は多く
親が職場にいても家の様子を確認することができます。
まあ、色んなケースを想定して対策をするに越したことはありません。
私の知る限り、普通のフィリピン人はそれほど無茶なことはしない印象です。

アマさん文化は素晴らしい
自分では預けることはありませんが、
日本でもこういったアマさん制度があればとても便利だと思います。

お友達でも2人以上の子供がいる家庭ではアマさんを雇っているケースが多く
何も仕事をしているからアマさんを雇うと言うだけでなく、
専業主婦のまま家事は全てアマさんに任せて、子守りだけに専念するとか、
上の子が通学し出したら送り迎えをお願いしたり、離乳食を作ってもらったり。

なんにせよ、子育てと家事を二人で分担できるというのはとても助かります。
もし私もアマさんを雇っていたら、家事はアマさんに全部任せて、
私は大切な赤ちゃんのお世話に専念するというやり方もできたかもしれません。

今だに、疲れていてちょっと昼寝したいなと思っても
子どもをほったらかしで寝るわけにもいかない生活ですが、
アマさんにちょっと見ててもらったりできると思うと助かりますよね。

夫婦で助け合って子育てをするのは基本として、
周りの人の手助けがあればあるほど楽かもしれません。

実家の両親なら頼みやすくても実家は日本、旦那の実家も頼れば良いのですが
嫁姑はそれほど単純なものではないので難しいところもあります。

赤ちゃんの生活リズムに関係なく上がり込んでくるとか、
赤ちゃんのお世話ばかり手伝いたがって、家事は手伝ってくれないとか。
離乳食の本のようにお粥やその他ペーストを冷凍保存していたら、
解凍して食べさせるより毎回作らないとダメと口出しをされたり。
電子レンジは身体に毒だからレンジは使うなとか。
私も母乳のためにこれを食べた方が良い、あれはダメなどなど・・・
好意で言っているのは分かりますが、産後の私にはとにかく気に障りました。

こういう時、身内よりもアマさんの方が
仕事として用事を頼めるし、自分の思い通りに動いてもらえるので助かります。

日本にもアマさん文化が広がれば、働く女性も専業主婦ももっと子育てが楽になって
経済も回るんじゃないかなーと思う次第です。

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