こんにちは、ヒナタです。
今日は広東語のお話です。
香港に住んでいると、香港人の口から「焗」という言葉を良く聞きます。
私はその感覚が最初は全く理解できなかったのですが、
在住10年を超えてやっと理解してきた気がします。
今日はそれについて書いていきます。
「焗」はどういう意味?
広東語の「焗」は「ゴッ」と読みます。「焗爐」というと、調理に使うオーブンのことです。
「焗飯」というと、ドリアやグラタンなどオーブンで焼いた料理です。
オーブンのような空間が高熱になるイメージが「焗」という字にはあります。
香港人の言う「焗」
さらに、香港人はもっと日常的に「焗」を使います。オフィスで仕事をしていると、隣の同僚が「好焗ar」と言って不快そうな顔をします。
そしてエアコンの温度を下げます。
この「好焗ar」は、「空気が滞留していて息苦しいなぁ」という意味に近いのです。
私は香港に来てオフィスで働いていましたが、いつも「は?」と思っていました。
冬でもエアコンを入れて、年中室内はキンキンに冷えている香港です。
「香港人て本当にエアコンをつければ空気の流れが良くなると思っているんだなあ、
エアコンは換気扇じゃないから空気の流れは関係ないのに」
と思っていました。
日本人のほとんどは「焗」の感覚がわからない
以前、1年ほど務めていた会社はものすごく忙しくて、いつも夜まで残業し、土日も出勤していたことがありました。土日にオフィスへ行くと、ビル全体のエアコンは止まっています。
私はそんな中、もくもくと仕事をしていたわけですが
同じく土日に休日出勤してくる香港人の同僚は
オフィスに入るなり、「好焗ar」を連発していました。
暑くもないのにエアコンを入れる必要は無いだろうし、
私は何とも感じていませんでした。
むしろ、エアコンがきいていないと息苦しいなんて、
かなり思い込みだと思っていました。
長く住んだら分かってきた
それでも、10年を過ぎたあたりからようやくこの感覚をつかめた気がします。香港はオフィスやショッピングセンター、住宅など、何でも高層の建物が多いですよね。
外の気温が熱いので、窓から風を取り込む設計にはなっていません。
エアコンをつける前提なので飾り窓があっても締め切ったままです。
そういう空間でエアコンが入っていないと、生ぬるい空気が漂うわけです。
エアコンで冷えていた時は感じなかった、生ぬるい室温が感じられてきたら
それはもうオーブンの中にいるのと同じような不快感になるわけです。
同様に、家にいても香港人は窓を閉め切った状態も嫌いです。
エアコンをつけない冬でも必ずどこかの小窓を開けておかないと気が済まないのです。
「新鮮な空気が入って来ないと息苦しい」と言います。
別に窓を閉め切っていても酸素は入ってくるのだから
窒息の心配はないはずなのですが、香港人にとって
「エアコンがついていない」「窓を締め切った状態」はありえないのです。
そういう感覚から言うと、日本の冬場の暖房が効いた電車などは、
香港人にしてみれば信じられない環境なのです。
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