2018年5月14日月曜日

香港在住者が中国でパスポートを紛失・盗難にあった場合の諸手続き


こんにちは、ヒナタです。

今日は、香港在住者が中国でパスポートを失くした場合の手続きについて書きます。

別の記事で長々とひったくりに遭った時の様子・心情などを書きましたが、
おそらく誰もが一番気になるのはパスポート再発行の手続きですよね。

それに、①日本に住んでいる日本人が中国へ行っていた際に紛失した際の手続きと、
香港に住んでいる日本人が中国で紛失した場合の手続きは若干異なります。
私も事件当時、色々とネットで調べましたが②のパターンの情報が少なく手探りのまま手続きをしました。

この記事が、不幸にもパスポートを紛失された方のお役に立てばと思います。

①パスポートを紛失したことを確認
私のように、目の前でパスポートの入ったかばんごとひったくられてしまったら明らかなのですが、気付いたら無かったという場合がありますよね。誰かに取られたのか、どこかで落としたのかが分からない場合、まずは落ち着いてよく探して下さい。

※もし新しいパスポートの再発行を申請している最中に、探していたパスポートが出てきたとしても、それはもう無効となります。持っているパスポートでは出国できませんので、新しいパスポートの再発行を待つことになります。

②警察に行く
パスポートが本当に無いことが確認できたら、最寄りの警察署(公安)へ行きます。
実はこれがなかなか思いつかないのですが、盗難にしろ、紛失にしろ、パスポートがないままでは中国から出国する際に身分証明ができません。まずは最寄りの警察署へ行って届け出書類を発行してもらいます。

また、「最寄りの」というのが肝心で、最寄りでない警察署に行っても管轄外だと最寄りの警察署まで戻らされます。盗難であればその事件が発生した場所の最寄りだと思いますが、気付いたら無かったという場合でも、そのことを発覚した場所(ホテルやレストランなど)から近い警察署に行ってみて下さい。

「どこで失くしたのか場所がはっきりしなければ管轄外だ」などと言われてたらい回しになるかもしれませんが、その時はまたそこから近くの警察署に行くなり、試行錯誤してみてください。
「どこで取られたのか、或いは落としたのかが、分かっていたら苦労しない」と思うかもしれません。警察は警察なんだから情報共有してくれれば良いんじゃないの?とも思うかもしれませんが、よその国のシステムのことなのでそこは仕方ありません。

この時に警察署で発行してもらった書類は後でどの手続きをするにも必要となる大切な書類です。

③パスポート紛失証明
公安局の入国管理課でパスポート紛失証明を発行してもらいます。
おそらく警察の方から、次のステップとして公安局へ行くように言ってもらえると思います。
公安局の入国管理課というのは、日本でいう所の入国管理局、香港でいうところの入境處・イミグレーションです。

私の場合、まずそこのオフィスで入国日と、入国した場所、氏名と誕生日を告げれば、私が数日前に羅湖から入国した際のパスポートの顔写真がパソコンで見れました。海南島という離れた場所でも、入国記録が見れたので、おそらく中国国内であればどこの入国管理課でも同じシステムで情報共有をしているのだと思います。もう手元にないパスポートの顔写真を見るのは辛かったものの、そのコピーをプリントアウトしてもらえたので、パスポート原本のような身分証明には及びませんが、身分証明が無くなった身としては慰めになりました。

また、ここでは写真が2枚必要です。海外旅行に行く際に、写真を2枚持って行くというのはガイドブックに書いてあるものですが、香港から中国に出張などで行く場合、わざわざ写真を持って行く人はあまりいませんよね。私はもちろん持っていませんでしたし、持っていたところでかばんごと取られているのでいずれにしても写真はありませんでした。パスポートが無くなって不安げな顔のまま、写真館へ行って蒼白した顔を記念撮影しなければなりません。ちなみに私は一銭も持っていなかったので撮影代は友達に払ってもらいました.

もし一人旅だったら、この時点で写真が撮れずに手続きが進められませんでした。日本の家族や、香港の友人、或いは会社の人を頼らなければならなかったかもしれませんが、わざわざお金を持って海南島まで来てくれる人がいたでしょうか。私のひったくりはパスポートだけでは済まなかったので、携帯で電話を一本入れることもできませんし、お金も無いので食事やホテル代や交通費など、一人では何もできませんでした。まだ深センなら香港にいる友人を頼ることも可能でしょうが、海南島で無一文はまさに絶望です。私は友人と一緒だったことだけが救いでした。

④戸籍謄本を取り寄せる
中国国内の日本領事館でパスポートの再発行をしてもらうには戸籍謄本の原本が必要です。
一刻も早く日本から送ってもらうようにしましょう。

※取り急ぎ日本領事館に日本から直接、戸籍謄本をFAXで送っても受け取ってもらえますが、パスポートの受け取り時には原紙が必要となります。

パスポートが無いだけで十分に落ち込んでいる状況で、日本にいる家族なり身内に連絡を入れなければなりません。私はこんな時に家族に心配をかけたくないので全てが終わって落ち着いてから事後報告をしたいと思っていましたが、戸籍謄本を日本から送ってもらうためには家族と連絡を取らなければなりませんでした。日本への国際電話も、Eメールも、友達の携帯やパソコンを借りて連絡を取ることができました。

家族に市役所へ行ってもらい、戸籍謄本をEMSで会社へ郵送してもらいました。
私の場合、旧正月と重なってしまい日本領事館が休みだったの数日ホテルで足止めとなりました。
友達のお財布に頼りながら暗い気持ちのまま予定通り海南島に滞在し、広州市までのフライトは国内便なのでパスポート紛失証明や警察の被害届で、なんとか搭乗できました。

旅行の日程が終わって友達も仕事があるので、当面の食費・交通費・宿泊費・パスポート発行費などに間に合うだけのお金を置いて行ってくれました。私は広州市内に滞在し、広州市日本領事館の窓口が開くのを待ちました。その間に香港の勤務先も休みが明けたので上司に連絡をいれ、中国に出張に来るついでにEMSで会社に届いた戸籍謄本を持って来てもらいました。会社を休んでホテルにいてもしょうがないので、勤務先の広州オフィスにも数日出勤しました。

上司から受け取ったEMSの送り状に書かれた日本の家族の筆跡を見て、自分が情けなく、家族に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

⑤日本領事館に行ってパスポートを申請する
戸籍謄本を受け取ったら(申請の時点ではコピーでも可)、日本領事館へ行ってパスポートの申請をします。中国国内の日本領事館は下記のように管轄が決まっています。

 
<在中国各公館の管轄地域>

 
在中国日本大使館(北京市) 

北京市、天津市、陝西省、山西省、甘粛省、河南省、河北省、 湖北省、湖南省、
青海省、新疆ウイグル自治区、寧夏回族自治区、チベット自治区、内蒙古自治区

●在上海総領事館
 上海市、安徽省、浙江省、江蘇省、江西省  


●在広州総領事館
 
 広東省、海南省、福建省、広西チワン族自治区  

在瀋陽総領事館  

 遼寧省(大連市を除く)、吉林省、黒龍江省  

●在重慶総領事館 
 重慶市、四川省、貴州省、雲南省
 

●在大連領事事務所

 大連市  

●在青島総領事館

  山東省

私の場合は海南島で盗難にあったので、広州領事館へ行きました。
申請から受け取りまで3-5日くらいかかります。

普段であれば何日かかろうが構いませんが、1日伸びるだけで食費や宿泊費がかかってしまうので、友達に借りているお金もギリギリという、勤務先にも迷惑をかけているという身としては一日でも早くしてほしいものです。ここは涙まじりに訴えてください。 もちろんお役所なので、どんな手段を使っても融通はしてくれませんが、多少は哀れんでくれたのか幸いにも3日めの朝一で発行してくれました。申請から発行まで中一日というのは、十分有難かったです。

⑥ホテルで外国人住宿証明を発行してもらう
続いて、ビザの発行に必要な「外国人住宿証明」というものを宿泊先のホテルで発行してもらいます。発行できないホテルもあるので、宿泊する前にホテルに確認する必要があります。

 例えば私は最初、深センのホテルに滞在しながら、広州市の公安局の入国管理課にビザ発行に必要な書類を聞きに行きました。日本領事館からそれほど遠くなかったと思います。ビザの発行には「外国人住宿証明」という書類が必要で、それは同じ管轄区域の、つまり広州市内のホテルでなければなりませんでした。深セン市のホテルで証明を出してもらっても、受理されませんでした。
そこで広州市のホテルに移動することにし、帰りも広州から香港へ直通列車で帰ることにしました。

簡単そうに思えますが、最初は入国管理課ではなかなか相手にしてもらえず、何度も別の窓口に並び直して相談しました。私は中国語ができますが、何がダメなのかはっきり分からないし、じゃあどうすればいいかと聞いてもそんなこと私は知らないと言われたりして途方にくれました。こういう窓口は担当者によって話の通じ方も全然違うので、話の分かる担当者に当たるまで並びなおすか、うまく話して同情を買うしかありません。こちらが女性の場合、相手は女性より男性の方が話が通じやすいというのは万国共通でもあります。

また、ホテルの証明書に関しても大変でした。最初に広州で泊まったホテルでは証明が出せると言ったからチェックインしたのに、チェックインした後でそんな証明書は出したことが無いと言われたりしました。話が通じないので近所にある駅の交番に行ってその旨を話して、ホテルと話を付けてもらってホテル代を返金してもらいました。その時の交番でも最初からスムーズに話が進んだわけではなく、出てくる人出てくる人に一から事情を説明して、それでもパッとした返事をもらえず、ようやく最後に話の分かるおじさん(偉いさん風の人)が出てきて、助け舟を出してもらえました。

⑦パスポートの受け取りとビザの発行
パスポートができたら、日本領事館へ取りに行きます。
(申請の時点では3-5日と言われていたので、一か八か3日目に取りに行きました)

中国内の日本領事館で発行した新しいパスポートには、当然のことながら中国の滞在ビザがありません。普通、香港から中国へ入国する際には入国のハンコと同時に滞在ビザのハンコが押されています。さほど気に留めていないかもしれませんが、あれがあると14日間は滞在できます。もし滞在を延長する場合は一度中国から出て再入国すればあらたに14日間の滞在ビザがもらえます。新しいパスポートを持って中国から出国するわけですが、ビザが無い状態で中国に滞在していたことになりますので、国内でビザを取得しなければなりません。

公安局へ行くのですが、その前に行くところがあります。

もし広州東駅から香港に帰る場合、一刻も早く香港に帰りたいと思いますので
まず翌日の香港への直通列車チケットを買いに行きます。
ちょっとした裏技!ですが、これがで公安局にビザの発給を早めてもらえます。

列車のチケットを片手に公安局でビザを発行してもらいます。
普通にビザの発行を待っていたら、なんと10日はかかります。
窓口でチケットを見せ、「明日この便で香港に帰る」と宣言し、 是が非でも明日の列車に間に合うようにビザを出してもらいます。 ここも担当者によって左右されるので訴えかけます。

ここでも書類のコピー代と顔写真代を徴収されます。

晴れて香港へ戻る
ビザの発給が上手く行けば、翌日にはビザをもらえますので、その足で直通列車に乗って香港に帰ることができます。

上記の流れで最短で5日、途中で週末土日にかかるとして約1週間はかかります。


戸籍謄本をいかにスムーズに取り寄せることができるか、
あとは公安局などお役所でどれだけたらい回しに合わずに済むか、で変わってきます。
私は旧正月中だったので休み明けを待っていたため2週間も香港に帰れませんでした。
海南島から出て、広州へ移り、深センに泊まり、また広州へホテルを移して・・
結構大変でした。

日本から中国に来ていてパスポートを失くしても、紛失証明だけで日本に帰ることができます。自分の国に帰るのですから、帰れないはずはありません。パスポートは日本に帰ってから再発行すれば問題ありません。しかし、日本人が日本ではない外国に出境するとなると、やはりパスポートが無い状態で出国させるわけにはいかないのです。仮に中国から出国できたとしても、香港に入ることができませんので同じことです。

もし香港在住の方で中国でパスポートを紛失されたのであれば、ぜひご参考下さい。

 

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