2018年2月21日水曜日

香港人の食習慣①熱氣(熱気:イッヘイ)


こんにちは、ヒナタです。

今日は香港人の食習慣について書こうと思います。

皆さんは「熱氣(イッヘイ)」ってご存知でしょうか?
香港人の友達がいたり、香港に住んでいる人はおそらく誰もが聞いたことがあると思います。
医食同源の香港では、老いも若きも食べ物の効能について知っています。
その食べ物が「熱氣(イッヘイ)」であるかどうかは非常に大切なわけです。

私は最初、というか何年もの間ずっと「熱氣(イッヘイ)の意味が分かりませんでした。
香港人は何を言っているんだろう、迷信を信じすぎじゃないかとずっと思っていました。
しかし10年以上住んでいたら、ようやくその意味が分かってきました。

熱氣(イッヘイ)とは?
中医の考え方で、「熱氣」というのは揚げ物など脂っこいものを食べたり、過度の喫煙や飲酒、徹夜などの疲れ、精神的な疲れ、ストレス過多などの原因で、口内炎や喉の痛み、不眠、ニキビ、便秘が起こることを言います。「熱氣」は「上火」とも言います。

熱氣(イッヘイ)の食べ物
まず熱氣に属する食べ物についての分類が必要となります。

下記が熱氣と呼ばれる食べ物です。

・辛いもの、熱性の食べ物
 四川風麻辣鍋、揚げた豚肉、羊肉、牛肉、鶏肉、
 香辛料(ネギ、しょうが、にんにく、にんにくの芽、唐辛子、玉ねぎ)
 ごま油
 ナッツ類(ピーナッツやカシューナッツ)
 シナモン、フェンネル、

・熱性の果物
 ドリアン、ライチ、マンゴー、ロンガン、

・甘いもの
 ケーキ、ドーナツ、チョコレート、キャンデー、ビスケットなど
 また砂糖の入ったコーヒー、お茶、コーラ、炭酸飲料

・冷たいもの
 特に風邪や気管支炎の時、免疫力が低下している時、高齢者などは避けた方が良い。

他にもマクドナルドなどのファーストフード、香港人が大好きな火鍋なども熱氣とされます。
揚げ物や脂っこいもの、ジャンクフード、摂取しすぎると太るような食品などが、熱氣に属しているイメージです。

とはいえ、熱氣を避けようと美味しいものを排除して生活するわけには行きませんよね。
そこで下記の対策があります。

・熱氣の適量摂取
・熱を下げる食品を摂取

熱を下げる食品
香港では熱氣の食品を摂取したら、熱を下げる食品を摂取すると良いとされています。
熱を下げる食品には下記のようなものがあります。

・果物
 バナナ、すいか、梨、トマト、キウイ、ドラゴンフルーツ、ハミウリ、レモン、ミカン、パパイヤ等

・野菜
 空心菜、ほうれん草、もやし、大根、冬瓜、ゴーヤ、キュウリ、レンコン、セロリ、にんじん等

・飲料
 緑豆のお汁粉、冬瓜茶、サトウキビジュース、アロエジュース、レモンジュース、
 ココナッツジュース、ミントティー、ジャスミンティー、ローゼルティー、ローズティー等

いかがでしょうか。

私も最初は半信半疑でした。
香港人が脂っこいものを食べた後は喉が痛くなるとか、口内炎ができると言っているのを
別にそんなことないのに、単なる思い込みじゃないかなと思っていました。

ある時、私はライチをたくさん買って家で食べていました。
日本と違って旬には安くてたくさん手に入るので、ここぞとばかりに毎日食べていました。
それに果物なので、多少たくさん食べても構わないだろうと思っていました。
しかしたくさん食べた後、なんだか体が火照って、喉も痛くなってきました。
たまたまだろうと思って翌日、またライチを食べていたら同じような症状になりました。
そのことを同僚に話すと、ライチは熱氣の食べ物だから一度にたくさん食べてはいけないと言われたのです。ピーナッツならともかく、ライチはみずみずしくて淡泊な甘さなのになぜ熱氣と言われるのか最初は理解できませんでした。しかし実際にライチを食べた後に感じた不快感を思うと、熱氣とはこういうことを言うのかもしれないと思うようになりました。

その後も、ハンバーガ―やポテトなどを食べたら、確かに喉が微かに痛くなる感覚がありました。
今までなかったのではなく、今まではそれを症状として気に留めなかっただけのようです。
意識するようになってみると、本当に高カロリーの食事をすると喉が少しチクチクするのです。
熱氣というコンセプトが無い日本では感じないで過ごしてきましたが、
よくよく観察してみると香港人が言う「熱氣」の感覚を感じるようになってきました。

是非、皆さんも熱氣を含む食事の後の喉の感じを観察してみてほしいと思います。

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