2018年2月23日金曜日

香港人の食習慣②味精(化学調味料:メイゼン)


こんにちは、ヒナタです。

香港人と会話をしていると、広東語で「味精(メイゼン)」という言葉をよく聞きます。
化学調味料、MSGと言われるものを指します。

「外食が美味しいのは「味精」がたくさん入っているからよ」
「日本人は「味精」を使わないんでしょう?」
「新しく出来たあの店は「味精」を使っていないんだって」

などなど、とにかく味精というものを意識しています。
中医でいうところの医食同源、香港人の食へのこだわりは食材や調理法というよりも、
身体に優しいかどうかも非常に大切な要素なのです。

今日は「味精」について書いていきます。

味精とは?
まず味精とは何かですが、日本語にすると「化学調味料」英語では「MSG」となります。

日本で化学調味料といえば思いつくのが味の素社の味の素ですよね。
昔はどの家庭にもあったようですが、一時期、身体に有害だという疑惑が浮上して下火になりました。家庭で料理を作る際にも、ほとんどのレシピには味の素は書かれていませんから使う人も少ないのではないかと思います。

結局、本当に身体に有害なのかと言えばそうでもなく、味の素社のHPによると安全な食品添加物だそうです。商品の説明にも「昆布のうま味の素であるアミノ酸(グルタミン酸)から生まれたうま味をきかす調味料」と書かれています。これほど長い歴史を経て今なお販売されているのですから、おそらく一時期言われたように人体に有害ということではなさそうです。

ちなみに、化学調味料はダメだと言っている香港でも味の素社の味の素は売られています。
買う人はいるのかな、日本人が買うのかなといつも気になっています。

 「味の素」以外にも
では「味精」は味の素社の「味の素」だけを指すのかというと、それだけではありません。
市販の鶏ガラスープの素など、とにかく市販の調味料には使われているそうです。

日本でも有名な李錦記ブランドの鶏ガラスープの素「鶏粉」というのがあります。香港のスーパーではとても売り場も広く取っている所が多く、大きさや形状が違うものなど種類も豊富です。
この「鶏粉」も市販のスープの素なので、香港人に言わせれば「味精」が入っているそうです。

しかし不思議なことに最近、李錦記の「鶏粉」に「不含味精」という文字が着くようになりました。
ということは無添加バージョンが出たのか、と思い香港人に話したところ、「鶏粉」は「鶏粉」だから「味精」が入っていないわけがないと言われてしまいました。

なんにせよ、香港人は市販の調味料にはものすごく敏感ということです。

「味精」が入っているとどうなるのか
外食すると当然、家で作るより味が濃くて美味しく感じます。これは香港人に言わせれば「味精」を使っているからという事になります。そんなこと分かるのかと半信半疑ですが「外食をしたあとはやたらと喉が渇くから」と言うのが理由だそうです。確かに家で食べるより味が濃いから塩分は高めなんだろうし、その分喉が渇くのかもしれません。それが味精の仕業かどうかは今のところ証拠が掴めていません。

「味精」を避けるにはどうすれば良いのか
それではここまで香港人が嫌悪感を示している「味精」を避けるにはどうすればよいのか。

外食先では基本的に仕方がありません。実際のところ、香港人は共働き家庭が多く外食をする機会も多いので、外食は身体に悪いと分かっていながら頼らざるを得ない状況です。

家で作る時は、もちろん化学調味料は加えません。鶏ガラスープにしろ、自家製です。しかしあれだけスーパーに鶏粉が並んでいるのを見ると、使っている人がいるのでしょうが。

日本食に味精は入っていないのか
香港人は日本食が好きな人が多いのですが「日本食に「味精」は入っていないでしょう?」とよく聞かれます。もちろん「入っていない」と断言していますが、実際どこまでを「味精」に含むかで回答は変わってきます。

前述の通り、味の素社の「味の素」は基本的には入れないと思います。
しかし私たち日本人が家庭で使用している市販の「顆粒だしの素」や「めんつゆ」や「コンソメ」、さらに「市販のカレーのルー」「中華スープの素」なども化学調味料だと言うのなら、「味精」を使用していることになってしまいます。

香港人が日本で食事をしたり、香港で日本食を食べる時はおそらく外食ですから、きちんと出汁を取って料理を作られていると思います。家庭で作る時、私も出汁や麺のつゆくらいは自分で作りますが、さすがにコンソメだけは自分で作る気がしませんのでコンソメスープの素を使います。それにカレーも手作りすることもできますが、やはり市販のカレールーは手軽なので使ってしまいます。

健康には気を遣っていますが、やはり市販の調味料に一切頼らないのは厳しいですね。
気になること
そういうわけで、香港人は「味精」についてとても敏感で健康志向なのですが、ずっと気になっていることがあります。

日本人の私の目から見て、香港人は炭酸飲料をよく飲み、インスタント麺をよく食べます。ご存じの通り日清の出前一丁は香港で爆発的人気があり、色々な味が発売されています。どの家庭でも出前一丁のストックはあり、外食先でも朝食セットや午後のアフタヌーンティセットで食べられています。これだけ「味精」が入っているということに敏感なのに、そう知りつつもインスタント麺は食べてしまうというようです。炭酸飲料だって、甘味料など色々な成分が入っていてあまり健康的な飲み物とは言えません。それでも香港人は食事時にドリンクとして炭酸飲料を飲んでいます。

いかがでしたか。日本は食品添加物が多く使用されており、パンなどほぼ腐らないですよね。
香港人たちは、日本の食品に絶大な信頼を寄せており日本製の食品の添加物についてはあまりうるさくない気がします。

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