こんにちは、ヒナタです。
海外に住むと、特に住みだして最初の頃は相手が日本人というだけで親近感がわいてしまうことがあります。日本にいたら話すこともなかったであろうタイプの人とも、海外では日本人というだけで仲間のように思えてしまいます。しかし油断は禁物です。私はその昔、香港に来たばかりの日本人男性と知り合い、ひどい目にあったことがあります。
その人は現地採用で仕事が決まったばかりでした。私の方がその人より少しだけ先に香港に住んでいたので、聞かれるがまま手続き関係のことなど色々と教えてあげていました。その人は当面ホテルに滞在しながら、引っ越し先を探していました。日本では固い仕事をされていた方で、身なりも発言もちゃんとしていたので、私も親切心から知り合いの大家さんを紹介してあげました。
すると2ヶ月ほど経った頃、大家さんがその人と連絡がつかないと困っています。鍵を開けると部屋はもぬけの殻、荷物は何もありませんでした。事故や事件に巻き込まれたのかと心配して大家さんも私も探し回りました。結局その人の職場に連絡をしてやっと見つかりました。聞くと、他の引っ越し先が見つかったのでそちらに住んでいるとのこと。だったらどうして大家さんや私に相談なしにいきなりいなくなったのか不思議でなりませんでした。日本人が、ましてやこんなにきちんとした感じの人が家賃を踏み倒して逃げたというのがにわかに信じられませんでした。
その後、未払いの家賃は大家さんの元に小切手で送られてきたそうです。それも何だかすっきりしませんでした。これほど迷惑をかけて、本人が二度と顔を出すこともなく小切手だけ送り付けて終わり、です。礼儀を重んじる日本人が、ひとこと謝ることも無くこんな態度を取ることにがっかりしました。大家さんには私から謝りました。香港人の大家さんに迷惑をかけてしまい、同じ日本人として恥ずかしく思いました。大家さんはお金のことには言及せず、とにかく彼が無事で良かったと言いました。怒るどころか心配していたなんて、余計に心が痛みました。
さて前置きが長くなりましたが、今日はビザ申請の手順についてお話しましょう。
礼儀を重んじることも大切ですが、ルールを守ることは基本中の基本です。
就労可能なビザを持たずに香港内で仕事をすると違法ですので、くれぐれもビザ無しの状態で仕事を始めないようご注意ください。もちろん申請中でも就労不可です。駐在員さんなど、香港に着任してからビザを申請するケースがあり、まだ申請中の段階なのに出勤して着任の挨拶で取引先を回ったり、出張で中国へ行ったりする人がいますが、それらは見つかればNGです。当然、申請中のビザも却下されてしまうので気を付けましょう。一度却下されると入国管理局にその記録も残りますので再度申請しても取得が難しくなります。
香港で就労できるビザには、就労ビザ、配偶者ビザ、投資ビザがあります。
ここでは現地採用で申請する場合の就労ビザについて触れたいと思います。
基本的にビザ申請の手順は大体同じですが、配偶者ビザは配偶者がいれば、投資ビザはお金があれば特に問題はないはずですが、就労ビザはそう簡単ではありません。
配偶者がいるわけでもなく、投資するわけでもないというのに、香港で就労したいという事は、その人に付加価値が必要です。その人が専門的な技術なり知識なりを有していて香港に貢献できること、会社側としては香港人では置き換えられない日本人必須の職位であること、それらを書類で説明する必要があるのです。
必要書類は下記です。
第一段階としてまずはこれらを入国管理局へ提出します。その後、審査が進む上で追加書類を求められれば適宜提出します。
1か月ほどで通る人もいれば4ヶ月くらいで通る人など審査期間はまちまちです。
ちなみに私は却下された人に実際会ったことはありません。却下されたのでそういう人が香港にいないのは当然ですが、やはり若すぎる人つまり経歴の浅い人は却下されるそうです。
それでも浅い経歴で通っている人もいますので、一概には言えません。
先に述べた通り、一度却下されるとその記録が残って、同じ人が再申請しても通りにくいようなので一かばちかで申請するよりは周到に準備をして堂々と申請したいものです。
自分で申請しても良いのですが、ビザの申請代行をやっている会社も香港にはあります。
私もかつては代行業者にお願いしました。まだ20代前半で経歴も浅かったし、英語で正式な内容の書類を作成するなんて不可能だったからです。追加書類も何度か要求され、その度にもう駄目かと思いました。結果として無事に通ったも代行会社のお陰だと思って今も感謝しています。餅は餅屋、不安な時はプロに任せるのが得策です。
ちなみに代行を頼むと結構な費用がかかります。10年前で12000HKDでした。今の値段は知りませんが確実に上がっているでしょうね。費用は会社が持ってくれることもありますが、会社と個人で折半というところもあります。私の場合は2年勤務したら全額会社が負担、2年以内に退職したら半額請求という取り決めでした。条件をつけるなんてケチケチしていると思うかもしれませんが、もともと自分で申請しなければならないところを、私がどうしても代行業者にお願いしたいと言ったのを聞いてくれて2年という条件がつきました。
ちなみに香港はビザを取得してから7年居住するとパーマネントビザが申請できます。これは永住居民になるということで、ビザと言っても今後は更新の必要はありません。パーマネントビザを取得すればいつどこで就労しても入国管理局とは関係ないし、働かずにずっと香港にいても構いません。香港を離れる場合は3年に一度は香港に入国しないとパーマネントビザは無効となります。まあ、香港でもう働く予定が無い人なら無理に継続するほどのメリットはないかと思いますが、香港にいる限りとても便利なビザです。
いかがでしたか、今日はビザについて少し踏み込んで説明しました。何かのお役にたてばと思います。
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