2018年3月2日金曜日

香港人の仕事の仕方①諦めが早い


こんにちは、ヒナタです。

今日は香港人の国民性(国というか特別行政区ですが)について書こうと思います。

はじめに、日本人が「事なかれ主義」というのは今に始まったことではないですよね。
揉め事を起こしたくない、意見も態度も曖昧ではっきりしない、穏便に済ませたい、
それが日本人の国民性というものです。こういう気質は日本社会でなら通用しますが、
海外に出てこういう態度でいると外国人にしばしば誤解を招いてしまいます。

一方、香港人はといえばもちろん日本人のような曖昧さはありませんので
日本人に比べれば白黒はっきりしていて、イエス・ノーは明確だと思います。

それに加えて私が肌で感じる香港人らしさのひとつに、「諦めの早さ」があります。
良く言えば「長いものに巻かれる」、悪く言えば「諦めが早すぎる」と思うのです。

そんな香港人の性質について書いて行こうと思います。

※ここで言う「国民性」とは全員に必ずあてはまるものではなく、あくまで傾向です※

諦めるのが早い
香港人と一緒に働いていると、諦めが早いと思う場面に良く出くわします。

例えば、オフィスでありがちな事件が起こったとしましょう。
・新しく来た上司がわけもわからずトンチンカンな指示を出す。
・運送会社が来ないので出荷が間に合わない。
・業績が悪いので今年のボーナスは出ないことになった。

これらのことについて、当然、香港人は不愉快な思いをします。
それではどうするかというと・・・

・新しく来た上司がわけもわからずトンチンカンな指示を出す。
 →陰で文句をいいつつも従う。

・運送会社が来ないので出荷が間に合わない。
 →仕方がないので客にそう伝える。

・業績が悪いので今年のボーナスは出ないことになった。
 →しょうがないので受け入れる。或いは、どうしても嫌なら辞める。

諦めが早いと思いませんか。私はものすごくびっくりしていました。
おそらく私を含め、日本人ならどうするかというと

・新しく来た上司がわけもわからずトンチンカンな指示を出す。
 →上司に現状を説明して、トンチンカンな指示を出していることを自覚させる。

・運送会社が来ないので出荷が間に合わない。
 →他の手段を考えて何とか間に合わせる。
  どうしても他の手がなければ客先には間に合わせる手段がないことを説明する。

・業績が悪いので今年のボーナスは出ないことになった。
 →ある程度は会社に抗議する。

もちろん会社の雰囲気や環境によって一概には言えませんが、
とにかく香港人は不平不満を抱いて、実際にかなり不満を口にするものの
ではどうするかというと「受け入れる」というか「諦める」ケースがとても多いように思います。

どうして諦めてしまうのか
香港という土地柄、イギリスと中国が話し合って香港のことを決めていたので、香港の立場としては「騒いでもしょうがない」という国民性が出来上がったと言われています。

上が決めたんだからしょうがない。
できないものはできない。
無理なものは無理。

そういった気持ちが大きくあります。

現状を変えよう、とか
取り組めばできるはずだ、とか
不可能を可能にする!

というようなチャレンジ精神が見受けられない人が実に多いと思います。

逆に、現状にチャレンジする人(日本人など)を「すごいなあ」なんて思うこともなく
「無駄なことして」「そんなことしても意味ないのにバカだな」という冷めた目で見ているわけです。

まるで都会っ子のような目線で、ワーワー騒ぎたてることをダサいとすら思っているようです。

香港人の仕事の仕方
それでは香港人は仕事に不向きなのかというと、そうではありません。
ある意味、その辺の日本人よりもずっと正確に仕事をこなします。

日本人のようにダラダラ残業してまで会社に貢献はしませんが、
勤務時間内はきっちり仕事をして、与えられた業務は完璧にやってくれます。

計算されせればミス無し、
在庫管理をさせればミス無し、
書類を作らせればミス無し、

ただし、これにはテンプレートが必要なのです。

日本人が言うような曖昧でフワっとした指示では通じないのです。
突然スタッフに「在庫管理をして」と言っても、それだけでは動いてくれません。
まずは上司が在庫管理表をエクセル等で作成してあげなければならないのです。

「こういう表を作ったから、ここに日付と数量を入力して・・・」と管理の仕方を説明すれば、
スタッフはその通りにきちんと忘れることなく管理をしてくれます。

もしその管理表に必要のない項目があったり、何か変なところがあっても
それをスタッフの方から指摘してくることはほぼありません。
その管理表の精度を高めるのはスタッフの仕事ではなく、上司の仕事だからです。
どんなに変な表でも、上司の言った通りに使うのがスタッフなのです。

同じく、運送会社のせいで出荷が間に合わないという時、
香港人のスタッフにとっては自分の与えられた仕事の範囲内ではどうしようもないことなのです。
「なんとかしなければ」という意識はありません。「仕方がない」の一言なのです。

諦めてばかりでいいの?
それでは、こういう気質は良いのか悪いのか、というと何とも言えません。
そもそも異なる文化において、どちらかを基準にしない限り良いも悪いも言えないのです。

曖昧さが良しとされる日本では、はっきりと物事を言ってしまうのは時に失礼ですよね。

同様に、どんな諦めることを良しとする文化においては、
できるところまで抵抗したり、あえて戦ったりすることは、
時間と労力の無駄で、格好悪いのかもしれません。

香港人と働くコツ
そもそも日本人と同じことを期待してはいけません。

彼らは彼らなりに合理的に物事に接しているので、
やる気がない、積極性がない、問題解決能力がない、と見えてしまいますが

彼らは自分の与えられた任務を果たすだけです。
それ以上でもそれ以下でもありません。

サービス残業はしませんが、勤務時間内はきっちり働くし
言われた仕事は言われた通りにきちんとやっています。
3言えば、10やってくれないのは当然で、プラスアルファを求めてはいけません。
こちらが3しか言わなければ3しかやらないのは当然で、10言えば、10やってくれます。

それに「仕方がない」と受け入れてくれるのはマイナスではありません。
相手が長いものに巻かれてくれるからこそ衝突しないとも言えます。
そういう意味では、日本人の「事なかれ主義」とちょっと意味は違いますが
香港人はまた別の意味で「事なかれ主義」なのかもしれませんね。

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