こんにちは、ヒナタです。
今、香港では誰もが知る大富豪・李嘉誠の現役引退のニュースが話題になっています。
李嘉誠といえば、世界長者番付にも名を連ねる世界有数の資産家です。
そんな方が89歳にして遂に現役引退ということで、香港をもう見限ったとも噂されています。
李嘉誠の略歴
まずは李嘉誠の生い立ちから見ていきましょう。
1928年6月13日 広東省潮州に生まれる
1940年(12歳) 日中戦争中の中国本土から逃れ香港へ渡る
1941年(13歳) 父親を亡くし、学校を中退し叔父の時計修理会社に入社する
1945年(17歳) プラスティックの工場を作り造花を販売、のちの「ホンコンフラワー」を生み出す。
1958年(30歳) 不動産業に参入、「長江実業有限公司」を設立する
1979年(51歳) 和記黄埔を買収
1985年(57歳) 香港電灯を買収
香港では生活・交通インフラの工事、エネルギー関連や小売り産業など、関連分野は多岐に渡り、香港人の生活基盤になくてはならない会社となっています。
日本でいうところの高校中退という学歴で、社会人経験を積みながら起業し、絵にかいたようなサクセスストーリーですね。
香港は実質、李嘉誠の王国と言っても過言ではないでしょう。
どうして成功したのか
普通の少年が大富豪になるという例は、残念ながら誰でも真似できることではありません。
その人が歩んできた時代や、環境も大きく関わってくるからです。
私たちが今からプラスチックの造花を作ったところで同じ結果は得られないということです。
李嘉誠はまだ中国の経済力が発展途上の時代に、中国本土に積極的に投資をしてきました。
中国国内はバブルだという説もありますが、数年前に比べてなにもかも発展しています。仮に今から中国に投資しても、儲かるかどうかは分かりません。
ここ数年で中国からも強い企業が台頭を表し、長者番付には李嘉誠の上をいく中国人が現れるようになり、数年前から李嘉誠は中国国内の不動産を徐々に手放してきていました。
そしてそのお金でヨーロッパ等、先進国の安定したビジネスに投資をしています。
引退後の跡継ぎは?
会長を辞め、経営の一線から退くことになります。
長江實業集團有限公司と長江和記は、長男の李澤鉅(Victor Li/ビクター・リー)53歳が引き継ぐことになります。
日本の天皇退位の話ともかぶりますが、これだけ長い間、現役を務めてきたトップが世代交代するというのは簡単ではありません。 今回の引退も突然のことではなく、綿密な計画を元に実の息子に後を継がせています。会長を辞めたあとも顧問としては関わっていくようなので、これからは影ながら見守っている立場になるのだろうと思います。
それでも89歳という年を考えると、これからの生活でお金の心配はすることが無さそうですから老後を謳歌してほしいと思います。
香港人の生活には欠かせない事業ばかり
イギリスの財閥「和記黄埔(Hutchison Whampoa)」は、小売、食品製造の屈臣氏集團(香港)(A.S. Watson Group (Hong Kong) やスーパーの百佳超級市場(PARKn SHOP)などの経営で知られています。
1973年の石油ショックで経営不振に陥り香港上海銀行(HSBC)が株主となったため破綻はしませんでしたが、李主席はHSBCと水面下で交渉しハチソン株を手に入れ、筆頭株主となりました。
香港では他にも下記のような事業があります。
・ハーバープラザ系のホテル、
・海逸豪園(Lagna Verde)などのマンション
・伊利莎伯大廈(Elizabeth House)などのビル
・電能實業(Power Assets Holdings)、香港島の電力供給
・和記電訊(Hutchison Telecom)、携帯電話のキャリア「3」を運営する
・屈臣氏蒸留水(Watson's Water)、
・豊澤電器(Fortress)、ホームセンター
・新城電台(Metro Broadcast)、ラジオ局
香港人の感想
ちょうど中国の企業を売却してヨーロッパなどに投資した頃、香港人の間では「彼は香港に見切りをつけたのだ」「もう中国や香港に投資する価値はないのだ」といった声が多くありました。
今回の件についても「香港は終わった」と見る人が絶えませんが、89歳の高齢まで現役で走り続け、長男に引き継ぐというのは自然なことですし、もう十分頑張って来られたと思います。
あとはそっと香港の行方を見守っていかれるのでしょうね。
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